NFLを見ていると、QBがパスを投げた直後にディフェンダーからタックルされ、 黄色いフラッグが飛ぶことがあります。
そこでコールされる代表的な反則が Roughing the Passer(ラフィング・ザ・パサー) です。
ただ、NFL初心者からすると 「QBをタックルしただけなのに反則?」 「サックはOKなのに何が違う?」 「投げた直後なら触ってはいけない?」 と疑問に感じやすいルールでもあります。
ラフィング・ザ・パサーは単純に 「QBへ強く当たったら反則」 というルールではありません。
この記事では2026年NFL公式ルールをもとに、 ラフィング・ザ・パサーとは何か、15ヤードになる条件、投球後のレイトヒット、頭・首への接触、膝下へのヒット、体重を乗せるタックル、サックとの違い まで初心者向けに分かりやすく解説します。
危険な方法でパサーを攻撃するのはNG。
パスを投げる選手は無防備になりやすいため、 NFLでは通常のランナー以上の特別な保護が設けられています。
重大な反則
First Down
反則コード
退場もあり得る
- NFLのラフィング・ザ・パサーとは?
- ラフィング・ザ・パサーは何ヤード?
- QB以外でもラフィング・ザ・パサーになる?
- どんなヒットがRoughing the Passerになる?
- パスを投げた後は一切触れない?
- 頭や首へのヒットは特に厳しい
- QBが直前に頭を下げても反則になることがある
- 膝より下へのヒットも禁止?
- 膝下をつかんだだけでも反則?
- ブロックされてQBの足元へ飛ばされた場合は?
- QBの上に体重を乗せると反則?
- QBを持ち上げて地面へ叩きつけるのもNG
- サックとラフィング・ザ・パサーの違い
- サックの最中でもRoughingになる?
- ポケットの外へ出たQBは保護が変わる
- ポケット外でも止まってパス姿勢を取ったら?
- QBがランナーになったら?
- QBが完全につかまったら審判が早く笛を吹くことも
- ラフィング・ザ・パサーとアンネセサリーラフネスの違い
- ストリップサックを狙うときも何をしてもいいわけではない
- なぜQBだけこんなに守られているの?
- 「今の何がRoughing?」と思ったらここを見る
- NFLのラフィング・ザ・パサーに関するよくある質問
NFLのラフィング・ザ・パサーとは?
ラフィング・ザ・パサーとは、 パスを投げようとしている、または投げた直後のパサーに対して、ルール上認められない危険・不必要な接触を行う反則 です。
NFLではパス動作中の選手は、 ボールを投げることへ集中しているため、 タックルから自分の体を守ることが難しくなります。
そのためNFLは、 パサーを 無防備になりやすい選手 として特別に保護しています。
「QBをタックルしてはいけない」のではなく、 「パス動作中・直後のQBを危険な方法でタックルしてはいけない」
というルールです。
ラフィング・ザ・パサーは何ヤード?
2026年NFLでは、 Roughing the Passerは 15ヤードのペナルティ+自動1stダウン です。
パスがインコンプリートでも、 守備側にRoughing the Passerがあれば、 オフェンスは大きく前進して新しい1stダウンを獲得します。
3rd & 15。
QBがパスを投げる。
パスはインコンプリート。
本来なら4thダウン。
しかし投球後にパサーへの違法なヒット。
→ Roughing the Passer。
→ 15ヤード+自動1stダウン。
QB以外でもラフィング・ザ・パサーになる?
なります。
名前が 「Roughing the Quarterback」 ではなく Roughing the Passer なのがポイントです。
通常はQBがパスを投げるため、 ほとんどの場合はQBが対象です。
しかしトリックプレーなどで RBやWRなど別の選手がパスを投げようとしている場合、 その選手も パサーとして特別な保護 の対象になり得ます。
どんなヒットがRoughing the Passerになる?
NFL公式ルールでは、 パサーへの危険な接触について複数の基準が設けられています。
パスがすでに投げられており、 接触を避けられるのに強くぶつかる。
ヘルメット、フェイスマスク、肩、腕などで パサーの頭・首付近へ強制的な接触を加える。
ポケット内などで立っているパサーの膝付近やその下へ 強く飛び込む。
パサーを倒したあと、 自分の体重の全部または大部分をそのままパサーへ乗せる。
パス後にそのまま強く押し込み、 不必要に地面へ投げる・叩きつける。
頭を下げ、 ヘルメットを使ってパサーへ強制的な接触を行う。
パスを投げた後は一切触れない?
いいえ。
ディフェンダーは全速力でQBへ向かっているため、 ボールが手から離れた瞬間に完全停止することはできません。
NFLには、 ポケット内のパサーに対して いわゆる「ワンステップ・ルール」 があります。
ボールがリリースされた後、 パスラッシャーは基本的にその直後の最初の一歩までの範囲なら、 通常のプレーの流れとしてパサーへ接触することがあります。
しかしその後もさらに進み、 接触を避けられるのに強くぶつかったり、 そのままパサーを地面へドライブしたりすると反則になる可能性があります。
QBへ接近
投げる
合法な場合あり
強く接触
接触のタイミングが早くても、 頭・首への危険なヒットや膝下への強いヒット、 全体重を乗せる行為などは禁止されています。
頭や首へのヒットは特に厳しい
NFLではパサーの 頭・首への強い接触 を特に厳しく取り締まっています。
ディフェンダーが、 ヘルメットやフェイスマスクだけでなく、 肩・前腕などを使って パサーの頭や首へ強く接触した場合も Roughing the Passerになる可能性があります。
またディフェンダーが頭を下げ、 自分のヘルメットを使ってパサーへ危険な強制接触を行うことも禁止されています。
通常の合法タックルの過程で起きる 偶発的なヘルメットやフェイスマスクの接触まで、すべて自動的に反則になるわけではありません。
QBが直前に頭を下げても反則になることがある
「QBが急に頭を下げたなら、 ディフェンダーは避けられないのでは?」 と思うかもしれません。
しかしパサーへ接触するディフェンダーには、 危険な方法で接触しない責任があります。
パサーがタックルを避けようとして姿勢を変えた場合でも、 頭・首へ強い接触を加えれば Roughing the Passerになるケースがあります。
膝より下へのヒットも禁止?
パサーへの Low Hit(ローヒット) にも特別なルールがあります。
パサーが片足または両足を地面につけている状況で、 パスラッシャーが 膝付近またはそれより下へ強くヒット することは禁止されています。
最初の接触が膝より上だったとしても、 そのまま強く膝下へ滑り込むような接触になると反則となる場合があります。
QBがポケット内でパスを投げる。
Defenderが低い姿勢で突進。
肩からQBの膝付近へ強くヒット。
→ Roughing the Passerになる可能性。
膝下をつかんだだけでも反則?
必ずしもそうではありません。
NFL公式ルールでは、 パサーをタックルしようとして 膝付近やその下をスワイプしたり、つかんだりするだけ であれば、 強制的な接触を伴わない限り反則ではないケースがあります。
問題になるのは、 ヘルメット、肩、胸、前腕などを使って 膝付近へ強く突っ込む行為 です。
ブロックされてQBの足元へ飛ばされた場合は?
ディフェンダーがオフェンシブラインに押され、 自分では避けることができずQBへ接触してしまう場合があります。
NFL公式ルールでは、 ディフェンダーが ブロックや反則によってパサーへ押し込まれ、接触を避ける機会がなかった場合 は例外となることがあります。
ただし、 押されている最中でも自らローリングやランジを開始し、 QBの膝付近へ強くヒットすれば反則になる可能性があります。
QBの上に体重を乗せると反則?
Roughing the Passerで非常に議論になりやすいのが、 Body Weight のルールです。
無防備な状態のパサーをタックルするとき、 ディフェンダーは不必要・暴力的に投げ倒したり、 自分の体重の全部または大部分をパサーの上へ落としたりしてはいけません。
NFLルールでは、可能な範囲でパサーの横へ落ちたり、 腕を使って自分の落下を支えることが求められています。
QBを合法的に包み込み、 タックル後に体を横へ逃がすなどして 全体重をそのまま乗せない。
QBを強く地面へドライブしたり、 倒れたQBの上へ全体重または大部分の体重をそのまま落とす。
QBを持ち上げて地面へ叩きつけるのもNG
ディフェンダーはパサーをタックルできます。
しかし、 パサーを必要以上に持ち上げたり、 地面へ叩きつけるようなタックル は認められていません。
ボールを投げた直後のパサーを 不必要にレスリングするように倒したり、 地面へ押し込む行為もRoughing the Passerの対象になります。
サックとラフィング・ザ・パサーの違い
「QBを倒したら反則なら、 サックはどうなるの?」 という疑問が出てきます。
サックはもちろん合法です。
パスを投げる前のQBを、 合法的な方法 でライン・オブ・スクリメージ後方で止める。
パサーに対して、 タイミングや接触方法が違法・危険 と判断される。
「QBを倒したかどうか」ではなく、 「いつ・どこに・どのように接触したか」
が重要です。
サックの最中でもRoughingになる?
なります。
ボールをまだ持っているQBへのタックルでも、 パサーが無防備なパス姿勢にある状況で、 頭・首への危険な接触や膝下への強いヒット、 ヘルメットを使った違法な接触などをすれば反則になる可能性があります。
「まだパスを投げていないから何をしてもOK」 ではありません。
ポケットの外へ出たQBは保護が変わる
Roughing the Passerには、 Pocket Area(ポケット) も関係します。
パサーがポケット外へ出て、 ボールを持って動きながらパスを投げる場合、 ポケット内のパサーに適用される ワンステップ・ルールや一部のローヒット保護 は同じ形では適用されません。
ただし、 だからといって 「ポケット外なら何をしてもいい」 わけではありません。
頭・首への危険なヒット、 不必要に地面へ叩きつける行為など、 その他のパサー保護やUnnecessary Roughnessのルールは残ります。
ポケット外では一部の特別保護が変化するだけで、 危険なヒットが全面的に認められるわけではありません。
ポケット外でも止まってパス姿勢を取ったら?
QBが一度ポケット外へ出たあとでも、 スクリメージライン後方で止まり、 明確にパスを投げる姿勢を再び取った場合 は、 パサーとしての特別な保護を再び受けることがあります。
そのため、 「ポケットを一度出たからその後ずっと保護なし」 ではありません。
QBがランナーになったら?
QBがパスを諦め、 ボールを持って明確にランナーとして走り始めた場合は、 通常のランナーとして扱われる状況になります。
この場合は 「Roughing the Passer」 ではなく、 ランナーに適用されるタックルやUnnecessary Roughnessなどのルールが中心になります。
QBだから試合中ずっとRoughing the Passerで保護されているわけではありません。
QBが完全につかまったら審判が早く笛を吹くことも
NFLでは、 パサーがライン・オブ・スクリメージ後方で ディフェンダーに明確につかまれ、 コントロールされて安全が危険な状態になった場合、 審判がQBを地面へ完全に倒す前にプレーをデッド にすることがあります。
これはパサーを不必要なヒットから守るためです。
そのためNFLでは、 QBがまだ立っているのに 「サック成立」と判断される場面があります。
ラフィング・ザ・パサーとアンネセサリーラフネスの違い
Roughing the Passerと Unnecessary Roughness は非常に似ています。
どちらも危険・不必要な接触を取り締まる15ヤード級のPersonal Foulです。
大きな違いは、 Roughing the Passerが パサーを特別に保護する専用ルール だということです。
| Roughing the Passer | Unnecessary Roughness | |
|---|---|---|
| 主な対象 | パサー | さまざまな選手 |
| 目的 | 無防備になりやすいパサーを保護 | 不必要・危険な接触全般を防止 |
| 罰退 | 15yd | 15yd |
| 守備側 | 自動1stダウン | 自動1stダウン |
ストリップサックを狙うときも何をしてもいいわけではない
ディフェンダーはQBからボールを叩き出し、 Strip Sack を狙うことがあります。
しかし、 「ボールを奪おうとしていた」 という理由だけで危険な接触が認められるわけではありません。
パサーへ接触する選手には、 ボールを奪おうとしている最中でも Roughing the Passerなどの違法行為を避ける責任があります。
なぜQBだけこんなに守られているの?
NFLを見始めると、 「QBだけ守られすぎじゃない?」 と感じる人も少なくありません。
理由のひとつは、 パスを投げる瞬間のパサーが非常に無防備だからです。
QBはフィールドの後方を見ながら、 足を止めたり腕を大きく振ったりしてパスを投げます。
その瞬間は、 自分へ向かってくる100kgを超えるディフェンダーに対して 身を守る姿勢を取りにくくなります。
そこでNFLでは、 合法的なパスラッシュやサックを認めながら、 重大なケガにつながりやすい接触方法だけを禁止 しています。
「今の何がRoughing?」と思ったらここを見る
Roughing the PasserはNFLでも判定が話題になりやすい反則です。
リプレーが流れたら、 次のポイントを順番に確認してみてください。
- ボールはすでに投げられていた?
- ディフェンダーは接触を避けられた?
- 頭・首へ強く当たっていない?
- 膝付近・膝下へ強く入っていない?
- QBを地面へ叩きつけていない?
- 全体重をQBへ乗せていない?
Roughing the Passerは、 「接触したか」より「接触のタイミング・場所・方法」 を見ると理解しやすくなります。
NFLのラフィング・ザ・パサーに関するよくある質問
パス動作中または投球直後などのパサーに対して、 ルール上認められない危険・不必要な接触を加える反則です。
2026年NFLでは15ヤードのペナルティで、 オフェンスには自動的に新しい1stダウンが与えられます。
いいえ。 プレーの流れで避けられない直後の合法的な接触まで、 すべて反則になるわけではありません。 ただし遅いヒットや危険な接触は禁止されています。
すべての偶発的接触が自動的に反則ではありません。 パサーの頭・首への強制的な接触や、 ヘルメットを危険に使用した接触などが問題になります。
単につかむ・スワイプするだけで、 ヘルメットや肩などによる強制的なヒットがなければ 反則ではないケースがあります。 問題になるのは膝付近や膝下への強いヒットです。
単純にQBと一緒に地面へ倒れただけで必ず反則になるわけではありません。 ただし全体重または大部分の体重を不必要にQBへ乗せる行為や、 強く地面へドライブする行為は禁止されています。
サックはパスを投げる前のQBを合法的に後方で止めるプレーです。 Roughing the Passerはパサーへの接触方法やタイミングが違法と判断された反則です。
はい。 ルールが保護するのは「Quarterback」ではなく「Passer」なので、 トリックプレーなどで別の選手がパスを投げる場合も対象になり得ます。
はい。 行為が著しく危険・悪質と判断された場合は、 選手が失格・退場となる可能性があります。
- パス動作中・投球直後のパサーを危険な接触から守るルール
- 2026年NFLでは15ヤード+自動1stダウン
- 悪質な場合は退場になる可能性がある
- QB以外のパサーも対象になり得る
- 投球後の明らかに遅いヒットは反則になり得る
- 頭・首への強い接触は特に厳しく規制されている
- 膝付近・膝下への強制的なヒットも禁止
- パサーを地面へ不必要に叩きつける行為も禁止
- 全体重または大部分の体重をQBへ乗せる行為も問題になる
- ポケット外では一部の特別保護が変わる
- サックそのものは合法
- 重要なのは接触のタイミング・場所・方法
Roughing the Passerを理解すると、 NFLで 「なぜ今のサックはOKなのに、これは15ヤード?」 という疑問がかなり解消されます。
大切なのは、 QBに接触したこと自体ではありません。
ボールを投げたタイミング、 パサーの状態、 ヒットした場所、 タックル方法などを総合して判定されます。
次にフラッグが出たら、 「遅かった?頭?膝?体重?」 の4点に注目してリプレーを見てみてください。
NFLのパスラッシュを見る面白さが一段深くなるはずです。
NFL Football Operations「2026 NFL Rulebook」
NFL Football Operations「Rule 12 Section 2 Article 11 – Roughing the Passer」
NFL Football Operations「Rule 12 – Player Conduct」
※NFLのルールは変更される場合があります。この記事は2026年シーズンの公式ルールをもとに作成しています。
最終更新:2026年9月



