NFLの試合を見ていると、コーチが突然赤いフラッグをフィールドへ投げることがあります。
これがNFLの「チャレンジ(Coach Challenge)」です。
審判の判定に対してチーム側がビデオ確認を求める制度ですが、 「何回できる?」「失敗するとどうなる?」「タッチダウンのときはなぜフラッグを投げない?」 と、NFL初心者には少し分かりにくいルールでもあります。
この記事では、2026年NFLのルールをもとに、 チャレンジの回数、成功・失敗時の扱い、自動的に確認されるプレー、ビデオ判定で覆る条件まで分かりやすく解説します。
「その判定、もう一度見て!」
チームが審判の判定に異議を唱え、 インスタントリプレーによる確認を求めるのがNFLのチャレンジです。
チャレンジ回数
3回目を獲得
タイムアウト消費
フィールドへ
NFLの「チャレンジ」とは?
NFLのチャレンジとは、フィールド上で下された判定について、 チーム側が「映像でもう一度確認してほしい」と要求する制度です。
チャレンジを行うときは、原則として次のプレーが始まる前に 赤いチャレンジフラッグをフィールドへ投げます。
2026年シーズンは、ヘッドコーチだけでなく、 試合前にヘッドコーチがチャレンジ担当として指名したスタッフも レッドフラッグを投げられるようになっています。
ただし、どんな判定でも自由にチャレンジできるわけではありません。 NFLのルールでは、ビデオで確認できるプレーと、チャレンジの対象にならない判定が決められています。
チャレンジは1試合に何回できる?
各チームには、まず最低2回のチャレンジ権があります。
さらに、最初のチャレンジのうち1回でも成功すれば3回目のチャレンジ権を獲得できます。
| 状況 | チャレンジ権 |
|---|---|
| 試合開始時 | 2回 |
| 最初の2回で1回以上成功 | 3回目を獲得 |
| 3回目も成功 | 4回目はなし |
NFLのチャレンジは「基本2回。1回成功すれば3回目がもらえる」と覚えておけば大丈夫です。
チャレンジに失敗するとタイムアウトを失う
チャレンジは何度でも気軽に使える制度ではありません。
NFLでは、チャレンジを行うためにタイムアウトが残っている必要があります。
判定が覆ればチャレンジ成功。タイムアウトは失いません。
判定が変わらなければ失敗。タイムアウトを1回消費します。
つまり試合終盤では、 「この判定を覆したいけれど、タイムアウトも残しておきたい」という状況が生まれます。
チャレンジは単なるビデオ判定ではなく、 ヘッドコーチの試合運びにも関係する戦略のひとつなのです。
タイムアウトが残っていないチームは、通常のコーチチャレンジを行えません。 タイムアウトを使い切った状態で認められていないチャレンジを行った場合は、 ルール上15ヤードの罰退対象になることもあります。
チャレンジすると何が起きる?
実際の試合では、おおまかに次の流れで判定が確認されます。
判定が下される
チャレンジ
リプレーを確認
判定変更
NFLでは、リーグのオフィシエーティング部門やリプレー担当者が映像を確認します。
重要なのは、映像を見て「少し怪しい」というだけでは判定が覆らないことです。 フィールド上の判定を変更するには、 明確で明白な映像上の証拠が必要とされています。
リプレー映像を見ても判断が五分五分なら、 基本的には最初にフィールド上で下された判定が残ると考えると分かりやすいです。
どんなプレーをチャレンジできる?
NFLでは、映像によって客観的に確認できるさまざまなプレーがレビュー対象になります。
| 主な確認ポイント | よくある場面 |
|---|---|
| パス成功・不成功 | キャッチしたボールを最後までコントロールしていたか |
| ファンブル | 倒れる前にボールを落としていたか |
| ダウン・バイ・コンタクト | ボールを落とす前に選手がダウンしていたか |
| アウト・オブ・バウンズ | 足や体がサイドラインの外へ出ていたか |
| ゴールライン | ボールがゴールラインを越えていたか |
| ファーストダウン | ライン・トゥ・ゲインへ届いていたか |
| パスかファンブルか | QBの腕が前方へ動いていたか |
| 選手の人数 | スナップ時にフィールド上に何人いたか |
例えば「キャッチしたかどうか」
WRがサイドライン際でパスをキャッチ。 審判は「インコンプリート」と判定したとします。
しかし映像を見ると、ボールをコントロールした状態で必要な体の部位がインバウンズに残っているように見える。
このようなケースではコーチがチャレンジし、 明確な映像証拠があれば「パス成功」へ判定が変更される可能性があります。
タッチダウンではなぜチャレンジしないの?
NFLを見ていると、 明らかに際どいタッチダウンなのにコーチが赤いフラッグを投げないことがあります。
これは、得点に関係するプレーなどには コーチとは別にリプレーオフィシャル側が確認する仕組みがあるためです。
- 得点が記録されたプレー
- エクストラポイント・2ポイントなどのTry
- インターセプト
- 相手チームがリカバーしたファンブルなどのターンオーバー
- 4thダウンでファーストダウンに届かなかった判定
- キック後のポゼッションに関する特定の判定
- 選手の失格処分
こうした場面では、チーム側が通常のコーチチャレンジを行うのではなく、 リプレーオフィシャルやリーグのオフィシエーティング部門が必要に応じてレビューを開始します。
残り2分になるとコーチはチャレンジできない
ここもNFL観戦では非常に重要です。
各ハーフの2ミニッツウォーニング以降は、 コーチが通常のチャレンジを開始することはできません。
この時間帯でレビューが必要かどうかを判断するのは、 リプレーオフィシャル側です。
| 時間帯 | コーチチャレンジ |
|---|---|
| 通常時間帯 | 可能 |
| 前半残り2分以降 | 不可 |
| 後半残り2分以降 | 不可 |
| オーバータイム | 不可 |
試合終盤に「なんでコーチはチャレンジしないの?」と思ったら、 まず残り時間が2分を切っていないかを確認してみてください。
何でもビデオ判定できるわけではない
映像があるからといって、すべての判定をチャレンジできるわけではありません。
NFLでは、映像で客観的に確認しやすい事実を中心にレビュー対象が定められています。
一方で、ホールディングや一般的なパスインターフェア、ブロックが違法だったかどうかなど、 審判の判断そのものが大きく関係する反則を、単純に「映像を見て反則に変えてほしい」とコーチがチャレンジすることはできません。
「足が外に出た?」「ボールを落とした?」「ラインを越えた?」 のような映像で客観的に確認しやすいものはレビューされやすいと覚えると理解しやすくなります。
Replay Assistはチャレンジと何が違う?
最近のNFL中継では、 「Replay Assist(リプレーアシスト)」という言葉を聞くことも増えています。
チャレンジは、チーム側から判定の再確認を求める仕組み。
一方のReplay Assistは、明確な映像証拠がある場合に、 リプレー担当者やリーグ側がフィールド上の審判へ情報を提供し、 客観的な判定や試合運営上のミスを素早く修正・補助する仕組みです。
そのため、すべてのケースで長いレビュー時間が発生するわけではありません。
2025年以降はReplay Assistの対象範囲も拡大されており、 NFLではフルのリプレーレビューだけでなく、 より素早く明確なミスを修正する仕組みも活用されています。
チャレンジを見るとNFLがもっと面白くなる
チャレンジは単に「審判のミスを訂正する制度」ではありません。
失敗するとタイムアウトを失うため、 ヘッドコーチは「この判定は本当に覆るのか」を短時間で判断する必要があります。
特に試合終盤では、タイムアウト1回の価値が非常に高くなります。
そのため、 「判定を覆せる可能性」と「タイムアウトを残す価値」を天秤にかけて チャレンジするかどうかを決める場面もあります。
NFL中継で赤いフラッグが投げ込まれたら、 ただリプレー映像を見るだけでなく、 残りタイムアウトや試合時間にも注目してみてください。
NFLのチャレンジに関するよくある質問
基本は1チーム2回です。最初のチャレンジのうち1回以上成功すると、 3回目のチャレンジ権を獲得できます。4回目はありません。
判定が変更されなかった場合は、チームタイムアウトを1回失います。 そのため、チャレンジするにはタイムアウトが残っている必要があります。
いいえ。判定が覆ってチャレンジが成功した場合、 そのチャレンジによってタイムアウトを失うことはありません。
得点プレーは通常のコーチチャレンジとは別にリプレーオフィシャル側の確認対象となります。 そのため、コーチが赤いフラッグを投げて通常のチャレンジを行うプレーではありません。
各ハーフの2ミニッツウォーニング以降は、 コーチ側から通常のチャレンジを開始することはできません。 必要なレビューはリプレーオフィシャル側が判断します。
オーバータイム中もコーチチャレンジは行いません。 レビューが必要な場合はリプレーオフィシャル側から開始されます。
- チーム側からビデオ判定を求める制度
- 赤いチャレンジフラッグを次のプレー前に投げる
- 基本は1試合2回
- 1回以上成功すると3回目を獲得
- 失敗するとタイムアウトを1回失う
- 得点や一部のターンオーバーなどはリプレーオフィシャル側が確認
- 各ハーフ残り2分以降とオーバータイムはコーチチャレンジ不可
- 判定を覆すには明確で明白な映像証拠が必要
最初は少し複雑に見えるNFLのチャレンジですが、 「基本2回・失敗するとタイムアウト・終盤はリプレーオフィシャル」 の3つを覚えておけば、試合を見るうえでは十分です。
ルールが分かってくると、 ヘッドコーチがなぜチャレンジしたのか、 なぜあえてチャレンジしなかったのかまで見えてくるようになり、 NFL観戦がさらに面白くなります。
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※NFLのルールは変更される場合があります。記事は2026年シーズンの公式ルールをもとに作成しています。
最終更新:2026年9月



