「ホールディングとパスインターフェアの違いは?」
「5ヤード、10ヤード、15ヤードってどう決まるの?」
NFLを見始めたばかりの人が、ルール以上に難しく感じやすいのが反則(ペナルティ)です。
せっかくタッチダウンが決まったと思ったら黄色い旗が飛び、プレーが取り消されたり、突然1stダウンになったりすることがあります。
NFLには多くの反則がありますが、試合を見るためにすべてを覚える必要はありません。
まずはよく登場する10〜20個程度を知っておくだけでも、観戦の分かりやすさは大きく変わります。
審判が黄色いフラッグを投げたら、基本的には何らかの反則があったサインです。
ペナルティは主に5ヤード・10ヤード・15ヤードですが、反則地点まで進む「スポットファウル」や、自動的に1stダウンになる反則、ダウンを1つ失う反則もあります。
この記事では、NFLでよく見る反則を中心に「何をすると反則なのか」「何ヤード罰退するのか」を初心者向けに解説します。
- NFLのペナルティとは?
- まず覚えたい「5・10・15ヤード」
- NFLでよく見る反則一覧【早見表】
- 試合で特によく見る反則を詳しく解説
-
オフサイド・フォルススタート・NZIの違い
- Delay of Game|ディレイ・オブ・ゲーム
- Offensive Holding|オフェンス・ホールディング
- Defensive Holding|ディフェンス・ホールディング
- Illegal Contact|イリーガル・コンタクト
- Defensive Pass Interference|ディフェンシブ・パスインターフェア
- Offensive Pass Interference|オフェンシブ・パスインターフェア
- Roughing the Passer|ラフィング・ザ・パサー
- Facemask|フェイスマスク
- Unnecessary Roughness|アンネセサリー・ラフネス
- Unsportsmanlike Conduct|アンスポーツマンライク・コンダクト
- Horse-Collar Tackle|ホースカラー・タックル
- Hip-Drop Tackle|ヒップドロップ・タックル
- Roughing the Kicker|ラフィング・ザ・キッカー
- Running into the Kicker|ランニング・イントゥ・ザ・キッカー
- Intentional Grounding|インテンショナル・グラウンディング
- Automatic First Downとは?
- プレーが取り消される反則と続く反則がある
- 「Penalty Declined」ってどういう意味?
- 両チームが反則したらどうなる?
- 初心者が最初に覚えるべき反則7つ
- 英語実況で聞く反則名も覚えておくと便利
- NFLの反則についてよくある質問
- まとめ|まずはよく見る反則だけ覚えればOK
NFLのペナルティとは?
NFLでは、攻撃側または守備側がルールに違反するとペナルティが科されます。
審判が反則を確認すると、フィールド上へ黄色いペナルティフラッグを投げます。
その後、レフェリーがマイクを使って、
「どちらのチームが」
「何の反則をして」
「何ヤードのペナルティになるか」
を発表します。
プレーが終わったあとにレフェリーの説明を聞けば、何の反則だったか分かります。
まず覚えたい「5・10・15ヤード」
NFLでは反則によって罰退する距離が決められています。
ただし、必ず「その場から5・10・15ヤード」というわけではありません。
反則の種類や発生した場所によってペナルティを適用する地点が変わったり、ゴールライン付近ではHalf the Distance to the Goal(ゴールまでの距離の半分)になることもあります。
実際の試合では反則地点、プレー結果、ゴールラインまでの距離などによって最終的なボール位置が変わる場合があります。
NFLでよく見る反則一覧【早見表】
| 反則 | 主な対象 | 基本ペナルティ | 簡単に言うと |
|---|---|---|---|
| False Start | 攻撃 | 5ヤード | スナップ前に攻撃選手が動く |
| Offside | 守備 | 5ヤード | スナップ時に守備がラインを越えている |
| Neutral Zone Infraction | 守備 | 5ヤード | 守備の侵入で攻撃選手を動かすなど |
| Encroachment | 守備 | 5ヤード | スナップ前に相手へ接触 |
| Delay of Game | 主に攻撃 | 5ヤード | プレークロック内にスナップしない |
| Illegal Formation | 攻撃 | 5ヤード | 正しい人数・配置になっていない |
| Too Many Men | 両方 | 5ヤード | フィールドに12人以上いる |
| Defensive Holding | 守備 | 5ヤード+自動1st | レシーバーなどをつかんで妨害 |
| Illegal Contact | 守備 | 5ヤード+自動1st | 許されない範囲でレシーバーへ接触 |
| Offensive Holding | 攻撃 | 10ヤード | ブロッカーが相手を不正につかむ |
| Offensive Pass Interference | 攻撃 | 10ヤード | レシーバー側が守備を押して有利になる |
| Illegal Block in the Back | 主に攻撃・リターン | 10ヤード | 相手を背中側から不正にブロック |
| Defensive Pass Interference | 守備 | スポットファウル+自動1st | ボール到着前にキャッチを不正に妨害 |
| Roughing the Passer | 守備 | 15ヤード+自動1st | QB・パサーへ危険な接触 |
| Facemask | 両方 | 15ヤード | フェイスマスクをつかんで制御する |
| Unnecessary Roughness | 両方 | 15ヤード | 不要・危険な接触 |
| Unsportsmanlike Conduct | 両方 | 15ヤード | 挑発などスポーツマンシップに反する行為 |
| Horse-Collar Tackle | 守備など | 15ヤード | 肩パッド・襟付近をつかみ引き倒す |
| Hip-Drop Tackle | 守備など | 15ヤード | 危険なヒップドロップ型タックル |
| Roughing the Kicker | 守備 | 15ヤード+自動1st | キッカーへ危険な接触 |
| Running into the Kicker | 守備 | 5ヤード | キッカーへの比較的軽い接触 |
| Intentional Grounding | 攻撃 | ヤード+Loss of Down | QBがサック回避のため違法にボールを捨てる |
試合で特によく見る反則を詳しく解説
False Start|フォルススタート
攻撃側の選手が、スナップ前にプレー開始を連想させる動きをしてしまう反則です。
特にオフェンスラインでよく見られます。
QBの声に反応してOLが一瞬早く動いたときなどにフラッグが出ます。
フォルススタートはスナップ前の反則なので、基本的にプレーは開始されず、その場で止められます。
攻撃側が「フライングした」= False Start と考えると分かりやすいです。
Offside|オフサイド
主に守備側の選手が、ボールがスナップされた瞬間にニュートラルゾーンを越えている反則です。
ディフェンスラインやパスラッシャーがQBのスナップタイミングを読みすぎて、一歩早く飛び出したときによく起こります。
状況によってはプレーがそのまま続くことがあり、QBが深いパスを狙う場面もあります。
Neutral Zone Infraction|ニュートラルゾーン・インフラクション
守備選手がスナップ前にニュートラルゾーンへ入り、その動きによって近くの攻撃選手が反応して動いた場合などに取られます。
オフサイドと非常によく似ていますが、ニュートラルゾーン・インフラクションではスナップ前にプレーが止まることが多いです。
Encroachment|エンクローチメント
守備選手がスナップ前にニュートラルゾーンへ入り、攻撃選手やボールに接触すると取られる反則です。
これもプレー前に止められます。
オフサイド・フォルススタート・NZIの違い
攻撃側がスナップ前に先に動いてしまう。
スナップ時に守備側がニュートラルゾーンを越えている。
スナップ前に守備側が侵入し、攻撃側を反応させるなどする。
攻撃が先に動いた → False Start
守備が早く飛び出した → Offside系
Delay of Game|ディレイ・オブ・ゲーム
攻撃側がプレークロックの時間内にボールをスナップできなかった場合によく取られる反則です。
画面上に表示されているプレークロックが0になる前にスナップしなければなりません。
3rd & 5だったのにディレイ・オブ・ゲームで3rd & 10になるなど、攻撃にとって痛いミスです。
Offensive Holding|オフェンス・ホールディング
NFLで非常によく見る反則のひとつです。
オフェンスラインなどのブロッカーが、相手選手を不正につかんだり、抱え込んだりして動きを妨げるとホールディングになります。
大きなランプレーが出た直後に黄色い旗が飛び、ホールディングでゲインが消えてしまう場面も珍しくありません。
攻撃側に基本10ヤードの大きなペナルティです。
Defensive Holding|ディフェンス・ホールディング
守備側の選手が、ボールを持っていない攻撃選手を不正につかんで動きを妨げる反則です。
レシーバーとディフェンシブバックのマッチアップでよく見られます。
ヤード数だけを見ると5ヤードですが、Automatic First Downが付くため非常に大きな反則になることがあります。
Illegal Contact|イリーガル・コンタクト
パスプレーで、守備側が許されていない位置やタイミングでレシーバーへ接触する反則です。
NFLではライン・オブ・スクリメージから5ヤード以内では一定の接触が認められますが、その制限を超えてレシーバーのルートを不正に妨害するとイリーガル・コンタクトになる場合があります。
こちらも基本5ヤード+Automatic First Downです。
Defensive Pass Interference|ディフェンシブ・パスインターフェア
NFL観戦で絶対に覚えておきたい反則のひとつです。
パスされたボールが空中にある間に、守備選手がレシーバーのキャッチ機会を不正に妨害すると取られます。
たとえば、
- ボールが来る前にレシーバーを押す
- 腕をつかんでキャッチを妨害する
- 相手の体を回してしまう
- ボールをプレーせず体を使って進路を妨害する
などが代表例です。
NFLの守備側パスインターフェアは、基本的に反則地点で1stダウンとなります。
そのため、深いロングパスでDPIが取られると、一気に数十ヤード進むこともあります。
NFLでは基本的に反則が起きた地点まで進むスポットファウルです。エンドゾーン内で起きた場合は原則として1ヤードラインなど、別の適用ルールがあります。
Offensive Pass Interference|オフェンシブ・パスインターフェア
パスインターフェアは守備側だけではありません。
レシーバーが守備選手を押してスペースを作ったり、ボールが来る前に不正なブロックを行ったりすると攻撃側のパスインターフェアになります。
「レシーバーがCBを手で押してからキャッチした」という場面でよく注目される反則です。
Roughing the Passer|ラフィング・ザ・パサー
パスを投げる選手、特にQBを危険な接触から守るための反則です。
パスを投げ終わった後に不要な強い接触をしたり、頭・首付近へ危険な接触をしたりするなど、ルール上禁止された方法でパサーへ接触すると取られます。
基本15ヤード+Automatic First Downなので、守備側には非常に痛い反則です。
Facemask|フェイスマスク
相手のフェイスマスクやヘルメット開口部をつかみ、そのまま制御したり、ねじったり、引っ張ったりする反則です。
首へ大きな力がかかる危険なプレーなので、15ヤードのペナルティになります。
守備側の反則であればAutomatic First Downも伴います。
Unnecessary Roughness|アンネセサリー・ラフネス
プレー上必要のない危険な接触などに対して取られるパーソナルファウルです。
プレーが終わった後のレイトヒットや、無防備な選手への禁止された接触などが代表例です。
重大・悪質と判断された場合には、退場につながることもあります。
Unsportsmanlike Conduct|アンスポーツマンライク・コンダクト
スポーツマンシップに反する行為に対して取られる反則です。
相手を過度に挑発するTaunting、禁止されたジェスチャー、審判への不適切な行為などが含まれます。
内容によっては同じ選手が繰り返すことで退場になる場合もあります。
Horse-Collar Tackle|ホースカラー・タックル
相手の肩パッドやジャージの襟・ネームプレート付近をつかみ、後方や下方向へ引き倒す危険なタックルです。
脚や足首へ大きな負荷がかかるため禁止されています。
Hip-Drop Tackle|ヒップドロップ・タックル
NFLが選手の安全を守る目的で禁止している危険なタックルのひとつです。
ボールキャリアをつかみ、自分の体重を落とす形で相手の脚へ乗るなど、ルール上禁止されているヒップドロップ型のタックルが対象になります。
2026年NFL公式ルールブックでも15ヤードの反則として掲載されています。
Roughing the Kicker|ラフィング・ザ・キッカー
パントやフィールドゴールでキックした選手へ危険な接触をすると取られます。
特にキッカーの軸足への危険な接触などが対象になります。
基本15ヤード+Automatic First Downです。
Running into the Kicker|ランニング・イントゥ・ザ・キッカー
こちらもキッカーへの接触ですが、Roughing the Kickerより軽い反則です。
キッカーの蹴り足などへの比較的軽い接触が該当します。
基本5ヤードで、Automatic First Downはありません。
軽い接触 → Running into the Kicker:5ヤード
危険な接触 → Roughing the Kicker:15ヤード+自動1stダウン
Intentional Grounding|インテンショナル・グラウンディング
QBがサックを避ける目的で、ルール上認められない形で意図的にパスを捨てた場合に取られる反則です。
特にポケット内でプレッシャーを受け、近くに適格なレシーバーがいない場所へボールを投げ捨てたときなどに注目されます。
Intentional Groundingは単純な5・10・15ヤードではなく、Loss of Down(ダウンを失う)を伴います。
自陣エンドゾーン内でインテンショナル・グラウンディングをすると、Safetyになる場合もあります。
Automatic First Downとは?
Automatic First DownはNFL観戦で非常に重要です。
たとえば、
3rd & 20
という攻撃側がかなり不利な状況でも、守備側がDefensive Holdingをすると5ヤードのペナルティだけでなくAutomatic First Downが与えられます。
つまり攻撃側は一気に新しい4回の攻撃権を得ます。
Defensive HoldingやIllegal Contactは5ヤードでもAutomatic First Downが付くため、3rdダウンでは特に大きな反則になります。
プレーが取り消される反則と続く反則がある
黄色い旗が出たとき、プレーがすぐ止まる場合と、そのまま最後まで続く場合があります。
スナップ前に止まる代表例
- False Start
- Encroachment
- 一部のNeutral Zone Infraction
- Delay of Game
こうした反則では、プレーが成立する前に審判が笛を吹いて止めます。
プレーが続く代表例
- Holding
- Pass Interference
- Offsideの一部
- Illegal Contact
この場合はプレーを最後まで行ったあと、反則を適用するかどうかが決まります。
「Penalty Declined」ってどういう意味?
NFLでは、反則をされたチームがペナルティを受け入れないことがあります。
これがPenalty Declinedです。
たとえば守備側が反則をしていても、攻撃側がそのプレーで大きく前進していた場合、反則を適用するよりプレー結果をそのまま採用した方が有利なことがあります。
その場合、攻撃側はペナルティをDeclineしてプレー結果を選択できます。
反則された側が、プレー結果とペナルティを比較して有利な方を選ぶケースがあります。
両チームが反則したらどうなる?
同じプレーで攻撃側と守備側の両方に反則が起きることもあります。
これをDouble Foulなどと呼びます。
状況によっては反則同士が相殺され、そのダウンをやり直すことがあります。
ただし、反則が起きたタイミングやボールの所有権が変わったかなどによって適用方法が変わるため、ここは初心者がすべて覚える必要はありません。
複数の黄色い旗が出たときは、自己判断せず最終的なボール位置とダウンを確認しましょう。
初心者が最初に覚えるべき反則7つ
反則が多すぎて覚えられない場合は、まず次の7つだけで十分です。
| 優先度 | 反則 | 覚え方 |
|---|---|---|
| ★★★★★ | False Start | 攻撃側のフライング |
| ★★★★★ | Offside | 守備側のフライング |
| ★★★★★ | Offensive Holding | 攻撃側が相手を不正につかむ |
| ★★★★★ | Defensive Pass Interference | ボール到着前にキャッチを妨害 |
| ★★★★☆ | Roughing the Passer | QBへの危険な接触 |
| ★★★★☆ | Facemask | フェイスマスクをつかむ |
| ★★★★☆ | Delay of Game | 時間内にスナップしない |
この7つが分かるだけでも、NFL中継で出てくるペナルティのかなりの部分を理解しやすくなります。
英語実況で聞く反則名も覚えておくと便利
NFL Game Passなどで現地実況を見る場合、反則名は当然英語で発表されます。
特に覚えておくと便利なのは、
- Holding
- False Start
- Offside
- Pass Interference
- Roughing the Passer
- Facemask
- Delay of Game
あたりです。
レフェリーの発表では「Holding, Offense, Number 65」のように、反則名・チーム・選手番号がアナウンスされます。
NFL用語集|初心者向けNFL用語一覧を見る → NFLのシーズンの仕組み|17試合・18週・プレーオフを解説 →NFLの反則についてよくある質問
まとめ|まずはよく見る反則だけ覚えればOK
NFLには多くの反則がありますが、初心者が最初からすべて暗記する必要はありません。
まずは、
False Start
Offside
Holding
Pass Interference
Delay of Game
Roughing the Passer
Facemask
このあたりから覚えていけば十分です。
また、ペナルティは単純に5・10・15ヤード罰退するだけではありません。
守備側の反則によってAutomatic First Downになったり、攻撃側がLoss of Downになったり、Defensive Pass Interferenceで反則地点まで一気に前進したりすることもあります。
黄色い旗が飛んだら、
「どっちのチーム?」
「何の反則?」
「何ヤード?」
「ダウンはどうなる?」
この4つを見るクセをつけると、NFLの反則はかなり理解しやすくなります。
ペナルティが分かるようになると、「なぜ今の3rdダウンが突然1stダウンになったのか」「なぜ大きなプレーが取り消されたのか」が理解でき、NFL観戦がさらに面白くなります。
NFL Football Operations / 2026 NFL Rulebook / NFL Video Rulebook
※本記事は2026年8月27日時点のNFL公式ルールをもとに、初心者向けに内容を簡略化して解説しています。実際のペナルティ適用地点やヤード数は、反則が発生した場所、プレー結果、ボール位置、複数反則の有無などによって変わる場合があります。
